行政書士業務

建設業許可部門

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まじきな事務所通信

令和5年

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建設業許可新規申請のポイント

これまで当事務所で提出した新規の建設業許可件数は100社以上あり、こちらで許可が取れると判断すれば、ほぼ100%許可を取得することが出来ております。
あなたが建設業許可を受けられるかどうかのポイントは、大きく分けて3つあります。

その中でも最大の難関は、「経営業務管理責任者」がいるかどうかです。
これはそういう名前の資格があるわけでなく、特殊な形態である建設業という業務の経営経験があるかどうかという意味です。
この条件をクリアできれば許可基準の8割方は条件を満たしたといってもいいと思います。
そこで、「経営業務管理責任者」に該当するかどうかの判断は次のように行います。

A 個人事業の事業主として建設業を営んで来た実績がある方。
この場合、5年分の所得証明を取り、すべての営業所得であることをまず証明します。
次に営業をしてきた業種が建設業であったことを証明するために請負契約書や注文書を5年以上、揃えます。
請求書しかないというケースもよくありますが、請求書はこちらサイドでいくらでも作成できるので、証明力はどうしても弱くなります。
こういう場合、できるだけ元請けさんに依頼して、過去に実際に行った工事については、改めて注文書と注文請書を作成してもらうように協力してもらうといいでしょう。

B 建設会社の役員として実績がある方。
この場合、登記簿謄本を見て判断しますので、就任年月日や辞任年月日が確認できる登記簿謄本をご準備頂きます。加えて、取締役としての経歴をカバーする期間の建設業許可証を2枚用意します。
なぜ2枚かと言うと、建設業許可証は5年更新なので5年以上の取締役経験をカバーするには1枚では足りないのです。

AとBは通算することができます。
この結果、
満5年の経営経験を証明できればすべての業種について、経営業務管理責任者になることが出来ます。そのうえで、土木や建築、管、電気といった資格を持っている人がいればそれに対応した許可をすべて取ることが出来ます。

次に法人として申請するのであれば、こうして証明することができた人を役員に入れ、社会保険に加入させておく必要があります。
また、個人事業として申請するのであれば、原則として代表者本人が経営業務管理責任者に該当していなければなりません。ただしこれには例外もあり、申請できる場合もありますので事前にご相談下さい。

第2のポイントは「専任技術者」がいるかどうか?です。
もし2級土木施工管理技士が1名いて、経営業務管理責任者が5年以上の実績が証明できれば申請できる建設業許可は土木、とび、石、鋼構造物、舗装、浚渫、水道施設の7業種となります。
このように1つの免許で複数の許可が取れることもありますし。2級建築施工管理技士(建築)のように建築一式しか取れないものもあります。事前にご確認下さい。
この専任技術者も常勤が条件ですので社会保険に加入させる必要があります。
また同じ人が「経営業務管理責任者」と「専任技術者」を兼任することももちろんできます。

第3のポイントはズバリ「預金残高証明書」です。
現在、沖縄県の許可基準では、500万円以上の預金残高証明書を添付することを要求しています。
もともと500万円以上の工事を請負おうとする業者に対して建設業許可が必要なのでその程度の資金調達能力を要求しているのだと思われます。
銀行は前日の預金残高を証明してくれるので、不足の場合は他から資金を調達してきて翌日の証明するのは資金調達能力なので「瞬間最大風速」でもいいのです。

各市町村へ変更届を提出する際にお使い下さい

会社分割部門

会社分割入門
(企業信用新聞掲載コラム)

中小企業の為の
「気軽に使える」会社分割制度

ここにたどり着いた皆さんの多くはきっと中小企業の経営者の方々だと思います。
たぶん、悩みながら自社の組織の再編の手がかりを模索して、あちらことらのホームページを検索しているのではないかとお察し致します。

このホームページは、会社分割のメリットや特徴を紹介することでいかにこの制度が強力な武器になるかを中小企業の経営者の方々に知ってもらうことを目的として開設しました。

そもそも会社分割とは、1億円の資本金の会社を5千万円の会社2つに分けるという意味ではなく、営業を1つの単位として、営業に付随する権利・義務や資産・負債を同時に会社の外に切り出す法技術です。
これまで組織の再活性化を図る必要からこの会社分割の制度が生まれました。

また会社分割は決して大企業だけの専用道具ではありません。実際、この制度を活用している会社の多くは中小企業です。だからキーワードは、「中小企業」「気楽に使える」「低予算で」「早く」です。

さあ、あなたも会社分割制度の扉を開けて中をのぞいて見て下さい。
「会社分割」で何ができるのか?
会社分割は次のような時にすごい力を発揮してくれます。


ケース① 建設業を営んでいるが、不動産や借入金が多く、経営事項審査でどうしても点数が伸びない。

  • 当事務所はもともと建設業の許認可や経営事項審査対象を得意としており、このような事例は数多く見てきました。会社分割制度が出来るまでは、会社所有の不動産を実際に売却処分すてもらったこともずいぶんありました。そして売却代金を借入金の返済に充ててもらったのです。
    財産をもっていると点数がなくなるなんて、一見理不尽なことですが、国土交通省が決めたことにさからえるわけでもなく現在のランクを維持する為になくやむ売却するしかありませんでした。
    しかし、その方法にはいくつかの無理・難題がありました。
    1つ目は買主が簡単に見つからない為、代表者がやむなく買い取っていたこと。
    2つ目は資産の移転に伴うコストです。現在、不動産の所有権移転登記の際の登記免許税は固定資産評価額の1000分の10で、さらに買主には不動産所得税が100分の3かかります。
    これは、固定資産評価額が3億円だとすると、登記免許税が300万円、不動産所得税が900万円かかる計算になります。
    また建物であれば消費税もかかるし、譲渡益がでれば法人税にも課税させます。

    会社分割制度はこの難問を解決してくれます。
    「不動産を売る」のではなく会社を分割し、不動産部門と建設業部門を分けることにより、建設業から不動産をはずすテクニックを使います。
    またコスト面を見ると会社分割を理由とする不動産の移転では登録免許税は1000分の6、不動産取得税は免税(つまりゼロ)、売買ではないので消費税は非課税、一定の条件を満たせば(税制適格)帳簿価格で移転することができるため、譲渡損益を繰り延べることができます。

    逆に不動産を本体に残して、建設業を移転すれば移転コストはかからなくなります。
    これにより、経審ではかなりの評点アップを図ることが可能です。実際どのくらいのアップになるのかは個別の事例によって異なるので事前のシミュレーションを依頼して下さい。
    少ない経費で最大の効果を得る。これぞ経済の大原則です。

ケース② 会社の一部をよそに譲りたいが、営譲渡と会社分割はどちらが有利だろうか?

  • 営業譲渡と会社分割は「営業を分割して他に移転する技術」という意味ではその目的は一緒ですが、そのプロセスと効果は大きく異なります。 1番大きな違いは営業譲渡は売買であるのに会社分割は組織変更である点です。
    営業譲渡は売買ですから現金が必要ですし、取引ですから消費税がかかります。
    営業譲渡では債務の移転は債権者の同意なしに行えません。
    また、営業譲渡では承継する資産、債権・債務を個別具体的に列挙しなければなりません。
    建設業者であれば、営業譲渡では、これまでの営業年数やランクの承継が認められておりません。その点、会社分割では営業年数、ランクの承継まで認められておりますので、建設業者にとっては会社分割の方が有利です。ただし、資格の承継は管轄する所在地の県に事前に必ず確認を取っておく必要があります。
    会社分割は組織変更ですので現金を準備する必要もありません。その代わり、新株を発行します。
    取引ではないので消費税もかかりません。
    会社分割では債務の移転に債権者の同意は必要ありません。ただし、基本的に債権者保護手続きを取っておく必要はあります。
    会社分割では「営業」に付随する資産・負債、債権・債務は包括的に法律上当然に移転します。

ケース③ 他社の優良部門を買い取りたいが、現金の流出がいたい。しかも許認可まで引継げるのか心配。

  • こんどは営業を譲り受ける側の場合ですが、売買なので当然、多額の現金を準備しなければなりません。
    その上、行政庁の許認可がきれいに引継ぎできない場合が多くあります。営業する上で許認可が必要な企業はこの点に充分注意する必要があります。

    会社分割制度を利用すると、
    会社分割は組織の変更の為、キャッシュが不要です。その代わり、相手方には新株を発行することになります。
    商法の改正に伴い、それに関連して多くの法律も改正されました。大まかな流れでは行政庁の許認可に関しても綺麗に引継ぎができるような法整備がなされているようです。しかし許認可の引継ぎは非常に大事なので必ず許可行政庁に確認を取ってから行って下さい。

ケース④ 一部門は元気だがこのままだと、会社全体が危ない。何か良い方法はないものか?

  • これは良くあるケースでしょう。親会社にとってみれば自分自身が不良債権となっても子どもを希望ある未来へ旅立たせるのに似ています。債権者にとってみればほっといて倒産してしまえば全く回収できないわけで、少しでも回収できる確立が高まれば文句は言わないはずです。

ケース⑤ 不動産を売却(購入)したいが、移転にかかる税金負担を考えると頭がいたい。

  • 不動産の移転に伴う税金の負担の問題はケース①でもふれましたが、ここで発想を転換してみると面白い現象がみられます。
    例えば不動産の売却代金がほしいという場合、売買という形態を取らずに会社分割をして新設会社を作り、不動産所有権を移転します。そてその会社の株式を売却するのです。
    すると、登録免許税が大幅に減額されたうえ、不動産所得税はゼロ、消費税はかからず、おまけに宅建業者に仲介手数料を払う必要もありません。(不動産の売買ではないから)

ケース⑥ 2人の子どもに事業を継がせたが、あとあとトラブルにならないような綺麗な方法はないものか?

  • 息子2人の父の事業を手伝って会社を盛り立てていてもいざ、相続が起こると骨肉の争いに変わる可能性は否定できません。そうすると天国の創業者もゆっくりしていられませんよね。

    こういう場合も会社分割は威力を発揮します。
    創業者が元気なうちに会社を分割しておいて、後日相続が起こったときに2人の息子それぞれに会社を相続させる。ただ、この場合、微妙な感情がからむ問題もあしますので、どの会社分割パターンを選ぶべきかは慎重に検討しなければなりません。ケースに応じて組み合わせを選択した方がいいと思います。

ケース⑦ 債務超過になったら会社分割はできないといわれた。

  • 会社分割の解説書の多くは債務超過の会社あるいは分割によって債務超過になる会社分割は認められないと書いてあります。
    ただ、少数派ではありますが、債務超過であっても分割は可能という有力な意見があるのも事実です。当事務所としては「できる」という理論の方が非常に説得力があるのえ「債務超過でも会社分割はできる」というスタンス立って進めていきたいと思っています。

ケース⑧ 関連会社を作りたいが、資本金の準備が大変だ。

  • 関連会社を株式会社で作りたい場合、通常でも最低1,000万円の資本金が必要ですが、
    会社分割を利用すると、
    承継する営業に付随する資産から負債を引いた「純資産」が1,000万円以上あればいいのです。ですのでキャッシュを準備する必要がありません。
    建設業の場合、特定建設業許可を取るには自己資産が4,000万円以上必要ですが、これも同じ理屈で引継ぎする純資産が4,000万円以上あればいいのです。