労働保険業務

Web説明会 建設業者の「社会保険未加入問題」を解決しよう

皆様、こんにちは。
行政書士の真境名と申します。

本日は、社会保険未加入問題Web説明会へお越しいただきありがとうございます。

本当は皆さまとお顔を合わせながら、ご説明をしていきたいのですが、個別の説明会をもつ機会が少ないので、出来るだけ多くの人が見ることができるようにWeb説明会のページを開くことに致しました。できるだけ分かりやすく、ご説明していきたいと思いますので、最後までお付き合い下さいますよう、どうぞ宜しくお願い致します。

社会保険未加入問題の混乱は
『誤解に基づく指導』が原因の一つ

さて現在、2~3年前ほどから建設業界では「社会保険未加入問題」が大きくクローズアップされています。沖縄県においても元請、下請を問わず、どうやって解決していったらいいのか分からない、というのが正直なところではないでしょうか?特に、孫請けや一人親方さんくらいになると、入ってくる情報がとても少なくなってきますので、たとえ間違った情報でもそれに従うしかない、ということもおこって来ているのです。
まるで伝言ゲームのように

建設現場は下請⇒二次下請⇒三次下請といったような重層構造になっていますから、元請さんが下請に口頭で指導した内容が二次下請、三次下請と伝わって行くにつれ、だんだんと変化していくことがあります。今回の社会保険未加入問題の混乱の原因もその辺にあるのかも知れません。
『平成29年4月までに建設業許可を持っている業者の適切な社会保険加入率100%を目指す。それ以降は未加入者の現場入場も認めない!』平成24年秋に国土交通省がすべての建設業者や発注者向けにこういう内容の通達を出しました。
それまで、保険未加入でも特段問題がなかった建設現場はそうとう困惑しただろうと思います。国土交通省の社会保険未加入問題に関する通達は、元請から下請、二次下請、三次下請、一人親方へと『指導』という形で伝わって行きます。

国土交通省が言う適切な社会保険というのは、『健康保険、年金保険、雇用保険、労災保険のすべてを含めた公的保険』のことを指し、『それぞれの会社の形態にあった適切な社会保険に入るように指導して下さいよ。』という意味なのですが・・・

➡ 資料1(事務所の形態に応じた加入すべき適切な公的保険)

ところが、元請や下請の社員さんは、みんな会社員なので『社会保険』と言えば自分達が加入している「健康保険と厚生年金保険」(これを狭い意味での社会保険といいます)を思い浮かべて、下請や孫請け、一人親方に対しても、この狭い意味での社会保険に入るよう、説得している、のではないでしょうか?

こういう具合に・・・
国交省 事務所の形態に応じた加入すべき適切な公的保険』に入るよう指導しなさい。
元請 社会保険に加入させるべきなのか!』
この時点で狭い意味での社会保険だと思いこむ。
下請 すべての事務所は社会保険に加入させるべき』
小さな個人事業も一人親方でも社会保険に入れるべきだと思いこむ。
孫請 従業員2~3名の個人事業者は、会社を作ってでも社会保険に入りなさい、と指導。
個人
事業者
法人化する必要もない個人事業者が、社会保険に入るために泣く泣く法人化。
まるで壮大な伝言ゲームのようです。
(私には、罰ゲームに思えますが)
実際に、従業員2~3名の個人事業者(鉄筋業や左官業)が社会保険に入るために法人化させられたという話も聞きました。(一つ二つではありません)
いかがですか?
従業員4名以下の個人事業者や一人親方は、協会けんぽで入る「健康保険と厚生年金保険」の適用事業所ではない、ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。従業員4名以下の個人事業者とその従業員及び一人親方は、医療保険については国民健康保険(国保)又は国民健康保険組合、年金保険については国民年金にそれぞれ個人で加入する。と書いてあります。
もしもこれから先、元請さんや下請さん、あるいは発注者が『従業員4名以下の個人事業者でも社会保険に入ってもらわないと、現場に入れなくなる』と言ってきた時には、資料1~3を見せて下さい。指導内容に誤解があることに気づいてもらえると思います。
傘下の協力会社が
加入すべき社会保険はこれです!

ここでは、御社の傘下協力会社の従業員4名以下の個人事業と一人親方について考えてみたいと思います。実際の建設現場において、社会保険未加入で問題となるその多くが、従業員4名以下の個人事業と一人親方達だからです。傘下協力会社の多くは、ある程度決まった下請や孫請の会社と契約を結び、専属に近い形で仕事をしています。A班、B班、C班のように班を構成し、その下にそれぞれの従業員がいる、というパターンが多いように思います。
その他に、ポツリポツリと従業員を持たない一人親方が混在しています。ただ、一人親方と聞いていたけど実際は2名の従業員は常時いるよ、という人もいたりするので、よく事情を聞かないと、いけないなと思います。

建設現場を施工体制図に表わしてみると、こんな感じでしょうか。

➡ 資料5(施工体系図)

この中で、従業員を雇っている事業主Cは、中小事業主であり、一人親方とは事務所の形態、加入すべき保険違う為、区別して考えます。

中小事業主・一人親方が加入すべき保険はこれ

雇用保険
事業主Cは、まず2人の従業員を雇用保険に入れる必要があります。雇用保険とは、失業保険のことで、ハローワークで取り扱う保険です。
事業主は従業員を採用すれば、当然雇用保険に加入させなければいけませんが、この一見当たり前と思えることが以外と出来ていないように思われます。雇用保険は、失業保険ともいわれるように従業員が、会社をやめた(失業した)時に一定の手続きを経て、ハローワークから給付が受けられる制度です。いずれにしてもその従業員が現場に入るためには、施工体制台帳に作業員個人の雇用保険番号を書かなければならなくなるので、事業主としてはまずは雇用保険の加入手続きをしなければなりません。
労災保険の特別加入
これで、従業員は労働者となりますから、万が一事故が起きた時には、自動的に元請の労災が適用されることになります。しかし、事業主と一人親方は労働者ではないので、元請の労災は適用させません。
そこで一人親方だけでなく、事業主であるCさんも現場に出るのであれば、労災の特別加入をする必要があります。労災の特別加入制度とは、「本来、中小事業主や一人親方は労働者ではないために労災の対象にならないが、現場に出ることも多い事業主や一人親方は労働者的な面もあるので、特別に労災に加入できる制度」のことです。
従って、中小事業主が加入すべき保険は、
<従業員を雇用保険に入れ、自分自身は労災の特別加入をする>ということになります。

提案 傘下協力会社の未加入問題を解決するために

皆様の傘下の協力会社には、様々な形態の会社があると思います。

①有限会社等の法人
②従業員を5名以上採用している個人事業者、あるいは
③3~4名以下採用している事業主、そして
④従業員のいない一人親方。

しかし、協力会社が加入すべき社会保険が分かったからと言ってスムーズに社会保険未加入問題が解決するわけではありません。傘下の協力会社の一社一社と我々労働保険事務組合とはほとんどお付き合いがない為、具体的な加入の仕方や、具体的な保険料、支払方法等の情報をお伝えするすべがありません。ですから、傘下の協力会社に適切な社会保険にスムーズに加入してもらう為には、協力会社と事務組合の間に立っている元請会社の全面的な協力がどうしても必要なのです。

元請会社が、傘下の協力会社の保険加入手続きを一括して行う事による元請会社のメリットとは?

  • 現場に入る全労働者の保険加入状況を把握することが出来る。
  • 自社への専属性を高めることが出来る。

中小事業主や一人親方にとってのメリット

  • 労働保険に入りやすくなる。
  • 元請会社が立替えてくれることにより、分割での支払が可能になる。
  • 安心して、従業員を現場に出すことが出来る。
  • 社会保険未加入の心配をしなくて済む。
  • 労災特別加入をすることで、本人も家族も安心して仕事が出来る。

元請会社・傘下協力会社 労働保険関係図

一人親方労災組合の料金表はこちら

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